フレディー没後(91年)~映画「ウエィンズ・ワールド」(92年)の米国人気以降…
Don't Stop Me NowとかBorn To Love Youとか「伝説のチャンピオン」etc.
日本でもクイーンの曲が、次々とTVCMに使用され始めます。

キリンの炭酸飲料のメッツ/MetsのCM(93年頃?)に、
We Will Rock You/ウィウィルロックユーが、使用されていました。




CMの炭酸の泡をスプリンクラーの如く吹き出しながら
地面から這い出て来る巨大な缶( =メッツ)の映像と、
BGMで流れる楽曲の持つダイナミズムが、凄くマッチしていると思います。

また崖の斜面からヒビが割れて、炭酸を吐き出しながら出てくる
巨大な缶( =メッツ)のヴァージョン違いCM映像も豪快です。

確かまだ他のヴァージョンもあった記憶があります。

当時、テレビのCMに使われる曲と言えば、
邦楽/歌謡曲から“Jポップ”という名称で呼ばれ始めた楽曲が、多くを占めていたので、
ハードロックそれもQueenの曲が、CMソングとして耳に流れて来ると…
瞬時に反応して、興奮してしまいました。

小学生の頃に発売された「メッツ」のCMに、
まさか90年代に入って、クイーンの曲が使用されるとは、思いませんでした。




初めて「ウィ ウィル ロック ユー」を聴いたのは、バブル期の90年( =平成2年)に、
CDレンタル屋で借りたグレイテストヒッツ/Greatest Hits(81年)ですが…

最初聴いた時、ワールドワイドで超有名なイントロの“ドンドン パッ!”(こう聴こえてしまう)や
サビのコーラス部分の響きが、何だか部族の祭祀/祭礼みたいなトライバルなリズムなので、
(とてもブリティッシュとは思えない)一種異様な雰囲気の楽曲に思えました。


今では、(伝説のチャンピオンと並び)「We Will Rock You」は、
世界中のスポーツイベントのアンセムになっています。

大谷翔平が出場しているメジャーリーグの試合をNHKのBSで視聴していると…
球場から「ウィ ウィル ロック ユー」の“ドンドン パッ!”が、流れて来て耳に入ります。


遂には「アカデミー賞」(19年)ノミネート作品となっちゃって、
興行収入も100億円を突破した映画「ボヘミアンラプソディ」のサントラCD(18年)だと、
「We Will Rock You -ムービー ミックス‐」として収録されています。

スタジオバージョンとの差異は、観客の大歓声とか、サビ部分のレスポンスのSE付です。


3)シアーハートアタック



アルバムの3曲目は、3枚目のアルバムタイトルにもなった
ロジャーテイラー作のシアーハートアタック/Sheer Heart Attackです。

時は、1977年…ハードロック/プログレッシブロック好きにとっては、
忌まわしいパンクロックムーブメントが、ロンドンに吹き荒れていました。
(ピストルズは然程好きでは無いけど、ロットン/ライドンのインタビューは面白い)

クイーンの数ある楽曲において、唯一のパンキッシュなナンバーで、ブッ飛ばして行きます。
ロックの根本的な部分であろう初期衝動に訴え駆ける様な(Queenにしては)粗削りナンバーです。

何故に、当アルバムでの収録なのか…意図的なのか…判りません。

従来のクイーンらしく無い、運動会の駆けっこの「よ~いドン!」みたいに、
出だしからガガガガガガと同時に、フレディが歌い出します。
当初は、フレディの「ヘイ ヘヘイ ヘェ~イ♪」に、割と違和感を感じましたw


4)オールデッド、オールデッド



アルバムの4曲目は、クイーンにしては珍しい単語を繰り返すタイトルの
オールデッド/All Dead, All Deadです。

ブライアンのボーカルで、ゆったりとしたフワッとした感触の優しい曲です。


5)永遠の翼



アルバムの5曲目は、Spread Your Wings/永遠の翼です。

ジョン・ディーコンが生み出した80年代以降のパワーバラードの原型みたいな
何かの物語のクライマックス部分で流れていたら…物凄く似合うであろう
切なくも感動的なバラード曲( =ジョンにしては珍しくクサメロな)です。

珍しく(クイーン十八番のコーラスが被さっていない)フレディ独唱のサビです。
因みに…ライブキラーズ/Live Killers(79年)のヴァージョンで、
最初のサビの途中でフレディは、観客に向かって「シンギン!」と言ってます。

「伝説のチャンピオン」と同様に…
ブライアンのバッキングのギターやエンディング付近のギターソロが、
ドラマティックに楽曲を盛り立てて、聴き手の涙腺を緩ませ様と仕向けます。


6)秘めたる炎



アルバムの6曲目は、ロジャーがボーカルを務めるFight From The Inside/秘めたる炎です。

ギターのカッティングが、都会的なサウンドに感じるファンキーなハードロックです。
個人的に「世界に捧ぐ」が、俗世間っぽい印象を持たせる由縁の1つです。

クイーンの有名な曲しか知らない人間からしたら…別のバンドの曲に思えるかもしれません。

ツェッペリンのトランプルドアンダーフット/Trampled Under Foot(75年)を
更に遅いテンポにして、ドッシリとした感覚です。


7)ゲットダウン・メイクラヴ



アルバムの7曲目は、Get Down, Make Love/ゲットダウン・メイクラヴです。

クイーンの歴史上…最も前衛的で、且つエクスペリメントな楽曲に思えます。
4人が各楽器で、ジャムセッションっぽく怪しい or 妖しいサウンドを出している様に聴こえます。
一度聴いただけじゃ全体像が、把握できないかもしれません。

奇抜で、奇妙で、奇天烈で、それでいて卑猥な音の空間です。
終盤に差し掛かって、円谷プロのビーム光線みたいな音も聴こえますw

もはや「世界に捧ぐ」は、
一度の食事で、テーブルの上に出された和洋中印を勢い良く摂取するがの如く
何でも有りな雑多過ぎるアルバムです。


8)うつろな人生



アルバムの8曲目は、Sleeping On The Sidewalk/うつろな人生と、
多少、大仰しい邦題になっていますw

オペラティック且つクラシカルで欧州的な音のクイーン =歌はフレディ・マーキュリー
と真逆の米国的ブルージーなナンバーで、更にブライアンがボーカルを取っているので、
「秘めたる炎」同様に、クイーンのベスト盤の曲しか知らない程度の人間からしたら…
全く別物バンドの曲に思えるかもしれません。

しかし(従来のクイーンの山あり谷ありの大作ナンバーを聴く時みたく)身構える事無く
(アルコールをお供に?)気軽にリラックスして聴ける曲だと思います。


9)恋のゆくえ



アルバムの9曲目は、Who Needs you/恋のゆくえです。
今作においてジョン・ディーコン作品が、2曲収録されている形となります。

相変わらず“ソングライター”ジョン・ディーコンの作品は、
アルバムの中でも(肉・魚に対する)サラダ的な役割を果たしています。

ラテンフレーバーでトロピカルで、涼し気なサウンドで、
途中のスパニッシュギターの間奏が、微風の如く凄く気持ちいいので、
思わず夏休みを取りたくなります。何か派手な色のドリンクを飲みたいです。


10)イッツ・レイト



アルバムの10曲目は、イニュエンドゥ並み6分越えのナンバーIt's Late/イッツ・レイトです。
なので、ボヘラプを凌ぐ演奏時間であります。

始めは、のほほんとゆったりしたツェッペリンって感じのパートで進んでいきます。
(閉鎖的で室内音楽のイメージがある)クイーン初期のコテコテブリティッシュな曲と違い
何だか開放的な気持ちのいいサウンドです。

またグランドファンクレイルロードのI'm Your Captain/Closer to Home(70年)的でもあります。
(クイーンの曲にしてはレアな)少々、土っぽさ、泥っぽさ、埃っぽさを感じます。


サビのコーラスが、快晴の大空に向かって、突き抜け溶けて込んで行く感じです。

しかし途中からテンポのギアチェンジで高速化して、ブライアンのギターソロが唸ります。
ツェッペリンのDazed and Confused/幻惑されて(69年)を彷彿させる様に、ドライブします。

と思いきや…再び穏やかな元のパートに戻り、そしてエンディングを迎えるのかと思いきや…
ロジャーの暴れ馬の如きドラミングで、又もや理性を失いブッ飛ばしてから終演を迎えます。
静と動を繰り返す展開の曲で、トータル6分越えの意味が分かりました。


11)マイメランコリーブルース



アルバムの11曲目は、My Melancholy Blues/マイメランコリーブルースですが、
タイトルに「ブルース」と付いているにも拘わらず
(イギリスでも日本でも構いませんが)何処かのバーのBGMに似合いそうな…
お洒落なピアノが奏でるゆったりとした力の抜けた感じのジャズっぽい曲です。

暗がりの店内と、アルコールと煙草の煙が、映像で浮かびそうな雰囲気を醸し出してます。

アルバムの幕引きとしては、まさに持って来いの素敵なナンバーです。
(勇壮で雄々しい1曲目~2曲目とは正反対の)脱力感が堪りません。

しかし改めて「世界に捧ぐ」は、不動の4人のメンバーが創り出した
何でも有りの音のコレクションみたいな作品です。


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